Nodevember2020参加・振り返り
今回、Nodevember2020に初めて参加しました。
後半、モチベーションも下がったりしましたが、なんとか30日分欠かさず無事に参加できました。
皆勤賞を目指しては居ましたので、目標は達成できました。
今後、参加を考える方の為にも、どんなイベントなのか紹介しつつ、自分の制作過程など振り返ってみます。
Nodevemberとは
プロシージャルアートの奨励促進のために毎年11月に行われるイベントです。
公式サイトにはこう書かれています。
自分自身に挑戦して、プロシージャル制作スキルを向上させ、披露してください。
プロシージャルは何でも大歓迎です。それをノードと呼ぶことができれば、Nodevemberと呼ぶことができます!
必要なプロシージャル/ノードベースのソフトウェアを使用してください。
これは、新しいソフトウェアを学ぶことに挑戦する絶好の機会でもあります。
作品は、例えば
- シェーディング/テクスチャリング
- モデリング
- 音楽/音の合成
など。
自身の参加作品
以下にもまとめています。
1日のお題で複数作品投稿している場合もありますが、以下ではすべて掲載されています。
Artstation
Twitter モーメント
参加作品の多くは開催期間中に作った新しいものが殆どですが、時間が無い時は過去に作ったものを流用して手を加えて作った作品もあります。
作業時間は1日の取れる時間に限りもあるので、大体は1~3時間程度で、たまに時間が掛かったものでは4,5時間使ったものもあるかもしれません。
他の参加された方々の作品群
twitterタグ #Nodevember #Nodevember2020で検索したら多くの作品が出てきます。
twitter.com
また、Artstationの方でも同様のタグで多くの作品が上がっています。
www.artstation.com
日々、他の参加者の方々の作品群を見ていたのですが、全体的にBlenderとSubstance Designerによる作品が多かった印象が強いです。
特にBlenderはあまり知識が無いので、こんなことも出来るんだ・・という驚きがあって、見ていて楽しかったです。
海外のBlender使いの方も多い事を実感しました。
参加意図とモチベーション
与えられたお題に対して様々な物を作ることで、Substance Designer/Houdiniを使った
プロシージャルワークフローのスキルの幅を広げたかった、というのが大きなモチベーションでした。
結果的には、お題があることで、自分自身が普段は作らないであろうモチーフを作ったりしたので、良い刺激にもなりました。
お題が与えられて、自分自身で作る題材を選び、それを1日で作れる範囲の作業に落とし込んで作る、という行為は
とても実践的で仕事の訓練にもなるので、特に学生の方には参加されると良いのではないだろうか?と思いました。
様々なものを作るので、ソフトの学習にも大変良いですね。
ただし、毎日作品を作るというのはとても大変です。
忙しかったり、体調が悪い時もあったので、モチベーションを維持するのも大変でした。
そして発想力をもっと鍛えねばならない、とも感じました。難しいお題がたまにあって作るものを決めるのが大変なことも。。。
その為、常にNodevemberの事が頭をよぎっていましたし、作るものが思い浮かばないときは暇があればリファレンス収集などをして捻りだしていました。
HoudiniのNodevemberと同様の1か月毎日作品をアップするイベント『Houly』に参加されていた方々は動画を作っている方も多く、
そのクオリティの高さを見て、すごい事を毎日されていたのだと実感しました。
参加作品の振り返り
Food / Day1~5
はじめはSubstanceDesigner中心で行こうかと思ったのですが、2日目からHoudiniの勉強にも活かそうと思い、
モデルはHoudini、テクスチャをSubstanceDesignerという構成に変えました。
やってみた感触としては、シンプルなマテリアルで構成出来るモチーフの1つのプロップなら
1日の限られた時間でもなんとか作れる印象を持ちましたが、食べ物というモチーフだったからかもしれません。
また、HoudiniはVolumeとポリゴンを自由に行き来出来るので、こういった食べ物のようなモチーフはとても作りやすいです。
他の3Dソフトだと厳しかったと思います。ただし、Blenderでもよく食べ物をプロシージャルで作って居られる方が
沢山いらっしゃるので、Blenderも得意な部類かもしれません。
Textures / Day6~10
6日目の水墨画風ジェネレータは作っていて楽しかったですが、やってみた感触としては、写真から本物のような水墨画を作るのは難しそうです。
7日目では、購入して数えるほどしか使っていないMarvelousDesignerを使ってプリントクッションを作りました。大阪万博キャラクターいいですよね。
名前はなんていうんでしょうか。検索するとTwitterなどで『コロシテ』くんというあだ名が・・・w
8日目のパフェは、なかなか思ったようなクオリティを出せず、時間が掛かってしまった作例です。それでも満足できる見た目まで行く事はできませんでした。
難しいモチーフを選んでしまった、失敗した、、と思った1品ですが、Twitterでの反響はAllegorithmic公式の方のリツイートもあったせいか、まずまず反応がありました。
9日目は、子供が大事にしてるぬいぐるみを参考に作ってみたものの、アウトプットしたものが可愛いところまで行けずにリファレンスに完全に負けた・・・
ちゃんと作ってみたいモチーフではあります。毛の流れはHoudiniでハイモデル、ローモデルを作り、SubstanceDesignerでWorldSpaceDirectionをベイクして、
それをベースに加工してモデルに沿って毛の流れを制御しています。
はじめはHoudiniでFurを使ってみようかとも思いましたが、使った事の無い機能では検証も必要なので、
1日で作るには厳しいものがあると思い直してSubstanceDesignerでの表現としました。
Time / Day11~15
この週は、個人的にとても楽しんで作っていた記憶があります。前半3つがHoudiniを使って、これまであまりHoudiniでは
作っていないタイプのものを作りました。ハニワとモアイはNodevemberに参加しなければ今後も作っていなかったと思いますね・・・
こちらもVDBを多用して作っています。基本はプリミティブの組み合わせで、VDB化してノイズを加えていったりしてモデリングしています。
13日目のモザイクタイルは、Level Up Digitalで学んだ Mosaic Creation Techniques with Substance Designerで得た知識をアレンジして作成したものです。
画像からボロノイ分割をうまく制御するのがSubstance Designerでは難しそうと思ってHoudiniを使いましたが、後から思えばSubstance Designerでも出来そうですね。
15日目のネオン看板では、SubstanceDesignerでのハイトマップでの立体化では階層構造のものは表現できませんが、2枚の板モデルを使うことで階層構造を実験的に作ってみました。
Nature / Day16~20
16日目では、WorldMachineで作った地形のハイトマップを使ってSubstanceDesignerでテクスチャリングするという初めての試みを行いました。
森林のモコモコを出すのが難しいですね・・・
ポリゴンが細かいほうが良さそう、リアルタイムは厳しいとおもってHoudiniでのレンダリングにチャレンジしましたが、
知識が無く、あまり質感設定など出来ずに良い結果になりませんでした。
レンダリング周りの知識が無いので、色々と検証などが必要そうで、短い時間での制作では難しかったです。
17日目では、球体ポリゴンにディスプレイスメントしてキノコの立体を作りました。シンプルだったので手短に作成できたので、
余った時間で以前に作成した森の地面マテリアルの倒木にキノコを生やしました。
18,19は体調がすぐれず、以前に作ったものの流用で凌ぎました・・・
Growthでは、PONさんのジェネレータ『Daisy Chain』を使わせて頂き、伸びる蔦を作りましたが、
蔦の質感までは詰め切れませんでした。Daisy Chainはとても良く出来ているジェネレータです。
煉瓦は昔作ったものを流用しています。
Humanity / Day21~25
21日目はサイン波を使ったコンクリ建造物を作りました。
SideFX Labsに、Labs Sine Waveというノードがあったので初めて使いました。
Side FX Labsもどんどん追加されていて、知らないノードだらけで把握するのも大変です!しかし便利ですね。
22日目は、ビルの街を作ろうとしましたが、さすがに1日で出来る限界があるため、かなりローポリゴンのビルで、Substance Sourceにある
ビルのテクスチャ群を活用しました。夜にしてディティールが見えないような見せ方にしてごかましていますね・・昼間ではクオリティが出なかった為です。
13日目のモザイクタイルと同じように、Substanceロゴ画像からボロノイ分割使って区画のベースを作って、ビルを立ち上げる為の土台を作り出しています。
23日目のSignのかに道楽は、カニの手足を作るグラフを別で作っておいて、それをパラメータ編集して本体のグラフで使っています。
Patterns / Day26~30
26日目は、ボロノイ分割を活用した、よくあるGeometricデザインの動物を作りました。
ロックバンドのMAN WITH A MISSIONをモチーフとしたものも作りましたが、全くもって上手く作れませんでした・・・
またリベンジしたいものです。
Fractalでは、ひまわりを作りました。
Substance Designer FX-Mapテクニカル本でも取り扱った、フィボナッチ配列上にパターンを配置するジェネレータを使っていますが、
Splatter Circularノードでも同じような表現はきっと出来るでしょう。ハイトを使った立体モデルでは、花びらがペラペラにしかならないので、
手前だけHoudiniでモデルを別で作ってみましたが、奥のひまわりと表現が違うので馴染みが悪かったですね。
最終日のIllusionはお題がとても難しく、頭を悩ませました。錯視、幻覚、という意味ですが、錯視なんて生まれてこの方、作ったことが無かったので、
錯視について色々調べたりして勉強になりました。作ったものは全然錯視になっていなかったので、なんとも締りが悪い終わり方となってしまいました!
おわりに
今回初めて参加してみて、1日で作れる分量やモチーフなどについて、なんとなくの感覚が掴めました。
しかし、とても大変だったので、今後、似たようなイベントに毎日参加するかというと微妙ではありますが、
Houlyがまた有るのならタイミングが合えば参加してみたいとは思いました。
今回やってみてよかったと思う事をまとめると、
- お題があることで、様々なモチーフを作るきっかけとなり、色々な面で鍛えられる
- 締め切りがあることで、緊張感を持って制作できた
- お題が発表されたら、近い日程の題材について、案だしを早めにしておいたのが良かった
- 順調に制作が終わったら、翌日、翌々日のものまで手を付けておくと余裕が持てた
- 海外参加者が多く、色んな国の方に作品を見て頂けるきっかけとなる
Allegorithmic公式Twitterの方で、1日ごとの作品をまとめた画像を取り上げてくれていたのですが、
そこで自分の作品が載っていると嬉しいですしモチベーションにもなりました。感謝しております。
こうやってコミュニティを盛り上げてくれるコミュニティマネージャを置いてるソフトウェアの存在って大きいですね。
SideFXさんやEpic Gamesさんなどもその存在が大きいように思います。(自動机さんは無いのかな・・)
今後、Nodevemberへ参加される方のご参考になれば幸いです。
見て頂いた方々、有難うございました。